乳歯は、生後6ヶ月頃から下の前歯が生え始め、2歳半から3歳までに20本生え揃います。 6歳頃には、下の前歯から永久歯に生え変わり、乳歯の奥歯のさらに奥からは6歳臼歯が顔を出します。 そして、12歳頃には全ての乳歯が永久歯に変わります。 このように、お子さんのお口の中は年齢に伴い順次生え変わり目まぐるしく変化します。 よく乳歯はいずれ永久歯に生え変わるから痛くなければ、そのままにしておいてもいいと思っている方もいると思います。しかし、乳歯のむし歯を放置するとさまざまな症状が出てきます。 乳歯をひどい虫歯にしてしまうと、下に準備して待っている永久歯への感染だけでなく、歯並びや噛み合わせにも影響が出てきます。 そして歯並びが悪いと歯磨きが行き届かずさらに虫歯をつくります。 こんな悪循環を断ち切るためにも乳歯の時から口の中を健やかに保ち大人の歯を迎えることが大切です。

症例1

症例2

症例3


フッ化物塗布は、歯の表面に直接フッ素を作用させることによって、むし歯を予防する方法です。
フッ素の作用

  • ① 酸に負けないために、歯の表面を強くする。
  • ② 虫歯菌のはたらきを抑える。
  • ③ 再石灰化の手助け。
歯のフッ化物塗布は、萠出直後の歯に対して行うのが最も効果的です。生えて間もない歯は、フッ素に対して反応性が高く、表層へとり込む量が大きいからです。 この方法は、何度もくり返して塗布することによって効果が持続することから年数回 実施します。 しかし、定期的にフッ化物塗布をしているからといって むし歯にならないとは限りません。 毎日の歯磨きや規則的な食生活習慣もむし歯予防には欠かせません。



乳歯には、噛む、発音以外に 永久歯を正しい位置に誘導する役目があります。 いわば、後に生えてくる永久歯のための場所取りをしています。 外傷や大きな虫歯によって、早期に喪失してしまった場合、そのままにしておくと、隣の歯が動いてきたり、たおれてきたりと歯並びが悪くなってしまいます。 当院では、こうなることを防ぐため、保隙装置(隙間を保つ)を用いた治療を行っています。
成長によって自然に抜けた場合は、この装置は必要ありませんので詳しくはご相談ください。

▼ これらの写真は保隙装置の一例ですが、抜けた場所、時期に適したものを選択し、ご提案します。

バンドループ

ナンスのホールディングアーチ

上顎用 可撤式保隙装置 (取り外し可能な子供用入れ歯)



下顎用 可撤式保隙装置 (取り外し可能な子供用入れ歯)



当院では、治療を安全かつ速やかにすすめていくために、お口に薄いゴムのシート(ラバーダム)を用いることがあります。 ラバーダムを使用することにより、患部の唾液からの感染の予防、薬液から粘膜を保護したり、使用器具の誤飲、誤嚥防止に役立ちます。 初めて見ると、怖い感じがしてビックリされると思いますが、意外と苦痛は少なく、直接お口にお水が入ってきません。 お子様の安全と治療の精度の向上を目的として行うものですので、ご安心ください。


虫歯になりにくくする為に歯の溝をコーティングする予防方法です。 歯を削らずにフッ素を含むプラスチックを詰めます。健康保険が適応で虫歯予防に大きな効果があります。強く噛んだり、歯ぎしりなどで取れてしまうこともありますが、その場合はまた行えばよいので心配はありません。定期検診でその都度チェックします。 ただし、歯と歯の間などの予防はできませんので必ず仕上げ磨きはしてあげて下さい。

症例


乳歯のむし歯は進行も早く、最初は小さな黒い点でもすぐに大きな穴が開いてしまいます。 そうならないために、3~4ヶ月に一度は定期検診を受けましょう。 お子さんのむし歯予防、早期発見、早期治療、正しい歯並びの育成へとつながります。

☆子供時代に、いかに虫歯を作らないかで、そのための生活習慣を身につけるのが、その後の歯を健康に保つ基本となります。

★定期検診でチェックすること

  • むし歯の有無、歯茎の状態。
  • 歯並び、噛み合わせの状態。
  • 歯磨き指導(本人と仕上げ磨きの方法)
  • 間食指導
  • 歯のクリーニング
  • シーラント、フッ素塗布。




写真は、奥羽大学歯学部成長発育歯学講座 小児歯科学分野 島村和宏教授のご厚意によりご提供いただきました。



お子さんが矯正治療を始めるタイミングは、おひとりずつ異なりますが、7歳まで(小学1~2年生)に矯正歯科の相談を受けることを勧めています。わたし達にとってもっとも悲しいことは、手遅れになってしまっているお子さんに出会ったとき。もちろん。リカバリは可能ですが、「もっと早く来院していただけると歯を抜く必要がなかったのに」といったケースも少なくありません。そのようなことが無いよう、気軽に無料相談を受けていただきたいと思います。 もし治療開始には早すぎた場合でも、半年ごとに来院していただいて、継続的に歯の生え変わりをチェックさせていただくこともできますので、来ていただくメリットは十分にあると思います。

1期治療(小児矯正)
(1~4ヶ月に1回の通院 / 小学6年まで)

成長とともに状態を悪化させる要因を取り除き、その後の成長発育ができるだけ正常に近くなるように軌道修正をします。 取り外しが可能な装置を使用することが多く、体にやさしい治療です。 後半は経過観察を行います。1期治療が終了したら、再評価のために検査と診断を行い、2期治療の計画を説明します。経過がよければ2期治療では永久歯を抜かずに、短期間で治療ができる可能性がグッと高くなります。 ケースによっては、1期治療だけで終了することもあります。

2期治療 (月に1回の通院 / 中学1年生ころから開始)

1期治療の次に行う仕上げの治療です。上下すべての歯にブラケットを装着し、短期間(10ヵ月~1年半)で完全なかみ合わせに仕上げます。中学生の時期は、骨が柔らかいので、歯の移動が早く痛みが少ないのが特徴です。

成人矯正 (月に1回の通院 / 治療期間1年半~2年)

治療開始の時点で永久歯が生え揃っている方は成人矯正です。上下すべての歯にブラケットを装着します。2期治療に比べ、治療期間が長く、抜歯が必要になる確率が高くなります。

お子さんは、自分から「歯並びやかみ合わせがおかしい」と感じて「治したい」と思う意思がありません。子供の人生を考え、矯正治療に一歩を踏み出すのは親の役割かもしれません。 矯正治療は親が子どもにしてあげられる最高のプレゼントです。 お子さんの将来を見据え、10年後に「ありがとう」といってもらえる選択をしてあげることが子どもの人生を豊かにすることにつながります。

体にやさしい装置

1期治療で使用する矯正装置のほとんどは、お子さん自身で取り外しが可能です。学校では装着せず、ご自宅で使用していただきます。食事の時に外せて、痛みも少なく、お子さんにとって精神的に負担の少ない装置を使用しています。

抜歯を回避

歯並びを広げたりして、あごの成長を正常な状態に改善させるので、歯を抜かずに歯並びを改善できる可能性が高くなります。

手術を回避

骨の成長発育が著しく悪化した場合、あごの手術を必要とする場合があります。しかし、1期治療で骨の成長発育を軌道修正すれば、手術の必要性を減らすことができます。

コンプレックスの解消

出っ歯や受け口などの見た目の特徴は、子ども同士のからかいの原因になりがち。また悪い歯並び自体がコンプレックスとなり、お子さんの明るい笑顔を奪ってしまうこともあります。矯正治療で歯並びを美しく自然に直しておげれば、お子さんの心の健康を守ってあげることができます。

相談(何回でも可能) 無料
検査診断 3万円

1期治療 (小学生の期間 / 1~4ヵ月に1回の通院)

  • 基本料金(装置代)   35~45万円
  • 処置料金(通院ごとに) 3,000~8,000円

2期治療 (治療期間1年~1年半 / 月に1回通院)

  • 基本料金(装置代)   35~45万円
  • 処置料金(通院ごとに) 6,000~8,000円
  • 成人治療から開始した場合は、基本料金が70~90万円です。
  • 治療費は全て別途消費税が必要です。
  • 基本料金は一括払いまたは分割でのお支払いを選べます。
    分割の場合、初回に半分、1年後に残りの半分を支払う2分割がご利用できます。
    金利と手数料は不要です。
  • 家族割引は検査診断料が半額です。(親子と兄弟のみ対象)
  • 18歳未満の場合、矯正歯科治療は全て医療費控除の対象です。

小学1年生の時に歯並びの相談に来ました。
上の2番目の前歯が生える隙間(○印のところ)が左右とも足りません。
放置すれば犬歯が八重歯になってしまいます。

青い数字は乳歯、白い数字は永久歯を表しています。

永久歯に生え変わって1期治療が終わりました。歯を動かすために装置を使った期間はおよそ1年半です。2番目の前歯もきれいに並んで犬歯(3番目の歯)が八重歯になるのを予防できました。

装置1:拡大プレート
(半年~1年間の使用)

歯並びを広げて前歯がきれいに並ぶための隙間を作る装置です。 お子さん自身で取り外しが可能です。 学校では装置せず、ご自宅で使用していただきます。

装置2:ブラケット
(3ヵ月~半年の使用)

固定式の装置ですが、 数ヶ月の使用で前歯がきれいに並びます。 犬歯(3番目の歯)が生えてくる前に 隙間を確保して、八重歯を予防します。

2番目の前歯が1番目の前歯の裏から生えて、犬歯(3番目の歯)が八重歯になってしまいます。
こうなってから矯正治療する場合は4番目の歯を抜く必要があります。

※イメージに近い違う人の口腔内写真です。